1.インフルエンザの流行は昨年と同様早く始まり、感染者は昨年より多いと予測
オーストラリアでの季節性インフルエンザ流行状況(2024年8月6日時点)
南半球のインフルエンザの流行状況は、その年の北半球の流行を予測する上で重要です。オーストラリア保健省のデータから、今年のインフルエンザの報告数(緑線)は昨年(黒の点実線)と同様、初秋から急増し始め、ピークは冬に迎えていますが、昨年より感染者数が多く、下げ止まってきている印象です。
年齢別では、5~9歳、0~4歳、10~14歳の順で報告数が多くなっています。
インフルエンザの種類
インフルエンザA型 94.9%
インフルエンザB型 5.1%
【分離株】
インフルエンザA型;H1N1pdm09 98.2%
インフルエンザA型;H3N2 94.0%
インフルエンザB型:Victoria 100%
【日本の2024/2025年シーズン インフルエンザワクチン株】
【A型株】
A/ビクトリア/4897/2022(IVR-238)(H1N1pdm09)
A/カリフォルニア/122/2022(SAN-022)(H3N2)
【B型株】
B/プーケット/3073/2013(山形系統)
B/オーストリア/1359417/2021(BVR-26)(ビクトリア系統)
となっています。つまり、現在の流行株を網羅していると考えられ、接種による予防効果が期待されます。
2.新しいインフルエンザワクチン
経鼻弱毒生インフルエンザワクチン フルミスト®点鼻液
- 日本初となる鼻腔内に噴霧するタイプの弱毒生インフルエンザワクチンです
- このワクチン液に含まれるインフルエンザウイルスは、25℃の低温でよく増殖するウイルス(低温馴化cold-adapted)を培養を重ねることで、ほとんど病原性がなくなっています(弱毒化attenuated)。そして、鼻腔内から投与されたこのウイルスは、36~37℃ぐらいの人間の体内では、成育するには高温すぎる環境のため、増殖しにくくなります(温度感受性化temperature-sensitive)。
- 【対象年齢】2歳以上19歳未満
【接種回数】1回
【副作用】鼻水、鼻つまりなど鼻炎の症状が約半数(40~50%)、発熱、咽頭痛(10%)
いずれも数日で改善します
重大な副作用としてはショックやアナフィラキシー - 接種方法は専用の器具を用いて、左右の鼻の中に0.1mlずつ、計0.2ml噴霧
<接種できない方>
- 今までに喘鳴を指摘されたことのある方、1年以内に喘息発作があった方
- 心疾患、肺疾患・喘息、肝疾患、糖尿病、貧血、神経性疾患など慢性疾患をお持ちの方
- 免疫不全者と接触を持つ方
- アスピリン内服中の方
- 妊婦、または妊娠の可能性のある方
- 卵摂取でアナフィラキシーの既往がある、ゲンタシンアレルギー方
- 過去4週間以内に、生ワクチンの接種をしている方
- ステロイドなどの免疫抑制剤を使用中の方
予約方法
電話予約のみ